アイスランドへの移住は、豊かな自然環境と先進的な福祉制度、ワークライフバランスを重視した働き方などが魅力的です。しかし、実際に移住して生活するとなると、観光とは違った「現実」を感じる場面も多いです。ここでは、アイスランド移住でのリアルな生活の実態とそのメリット・デメリットについて、現地の視点から徹底解説します。
この記事では、僕が実際にアイスランドで生活して感じた理想と現実について、どこに住むのがいいかといったことについて解説していきたいと思います。
アイスランドに興味のある方、海外移住してみたい方などの参考になれば嬉しいです。
最後までお付き合いください。
1. 物価の高さと生活費
物価の現実
アイスランドの物価は非常に高く、特に首都レイキャヴィークでは食料品や家賃などの生活費が日本の都市部以上にかかることが一般的です。アイスランドは多くの物資を輸入に頼っているため、特に食料品や日用品の価格が上昇しがちです。日本では日常的に安く購入できる野菜や果物、肉、乳製品も高額で、経済的な負担が大きいと感じる移住者も少なくありません。
節約術と生活の工夫
アイスランドでは、地元の新鮮な魚介類を活用した自炊や、農家市場で購入するなどの工夫が生活費を抑えるために有効です。輸入品やブランド食品を避け、現地で調達しやすい食材で自炊をすることで、食費をある程度コントロールすることができます。また、郊外に住むことで家賃を抑えることが可能ですが、通勤や日常の移動が不便になるデメリットもあります。
2. 気候とライフスタイルへの影響
長い冬と暗い日々
アイスランドの冬はとても長く、特に12月から1月の間は日照時間が短く、1日あたり3〜4時間ほどしか太陽が出ません。このような暗さや寒さは、メンタルや生活リズムに影響を与えやすく、特に初めての冬は精神的に辛いと感じる移住者も少なくありません。逆に、夏は日が長く、白夜で夜遅くまで明るい日が続きますが、生活リズムが崩れやすいため、アイスランド特有の環境に慣れるまでに時間がかかることもあります。
冬を楽しむ工夫と健康管理
現地の人々は、暗く寒い冬を楽しむための工夫をしています。例えば、温泉やホットポット(露天温泉)でリラックスしたり、冬の間はキャンドルや間接照明を使って部屋を暖かく演出し、北欧特有の「ヒュッゲ」な時間を楽しむようにしています。また、寒さによる体力消耗に備え、ビタミンDサプリメントを摂取して健康管理をすることも一般的です。アイスランドの冬を乗り越えるには、こうした工夫を生活に取り入れることが大切です。
3. 仕事とワークライフバランス
ワークライフバランスの実態
アイスランドは、ワークライフバランスの良さが評価されています。特に、週4日勤務や短時間労働を導入する企業も増え、長時間働くことが珍しく、労働者の権利が非常に重視されています。実際、残業はほとんどなく、勤務時間中に集中して仕事を終わらせる文化が根付いています。また、アイスランドは、男女平等が進んでおり、育児や介護においても男女で協力し合う風土が強く、仕事と家庭の両立がしやすい環境が整っています。
仕事の選択肢と制約
しかし、移住者にとって就労先の選択肢が少ないという現実もあります。特に、観光業や漁業など特定の産業が中心のため、職種の選択肢が限られることもあります。また、英語は通じるものの、現地企業での採用や昇進を希望する場合にはアイスランド語が求められることが多いため、言語の壁に苦労することもあるでしょう。アイスランド語を習得することができれば、職場でのコミュニケーションやキャリアの幅が広がります。
4. コミュニティのつながりと孤独感
地域社会の温かさ
アイスランドは人口が少なく、特に小規模なコミュニティでは人々のつながりが強いのが特徴です。アイスランド人は親しみやすく、助け合いの精神が根付いており、移住者に対しても温かく接してくれることが多いです。コミュニティイベントや地元の集まりも多く、人と人との距離が近いことで、孤独を感じにくい社会が形成されています。移住者にとっても地域社会の一員として迎え入れられるため、友人ができやすい環境です。
小さな社会のデメリット
一方で、人口が少ない分、日常的な生活が閉鎖的に感じられることもあります。特に小さな町や郊外では顔見知りばかりになりがちで、プライバシーの確保が難しいと感じることもあるでしょう。また、日本のような多種多様な娯楽や大都市の賑やかさが少なく、都会の便利な暮らしに慣れている人にとっては退屈に感じることもあります。個人主義的なライフスタイルや都会の利便性が恋しくなることもあるかもしれません。
5. 医療と教育制度
医療制度の充実と課題
アイスランドは医療制度が充実しており、基本的な医療費は公的医療制度によって補助されています。緊急医療や一般的な診療は低額で受けることができ、子供の医療費は無料です。特に、病院やクリニックは主要都市に集中しているため、都市部では医療サービスが受けやすい環境です。
ただし、医療費が安くても、地方に住む場合は大きな病院がないため、首都まで移動する必要がある場合もあります。また、医療施設が限られているため、場合によっては診察予約に時間がかかることもあるため、日常的な健康管理も大切です。
教育制度の充実
アイスランドの教育制度は無料で質が高く、義務教育期間も充実しています。特に、アイスランド語と英語を共に学ぶ教育体制が整っており、移住者の子供もスムーズに現地の教育に馴染むことができます。また、教育の現場でも自主性を重んじる教育方針が取られ、国際的な視野を養う環境が整っています。
6. アイスランド移住のメリットとデメリットまとめ
メリット
- 自然との共生: 手つかずの自然が豊富で、リラックスした生活が楽しめます。
- ワークライフバランスの実現: 週4日勤務や短時間労働など、生活にゆとりを持ちながら働くことが可能です。
- 社会保障制度の充実: 医療や教育、育児支援が手厚く、生活に安心感が得られます。
デメリット
- 物価が高い: 特に食費や家賃など、生活費が高額になりやすい。
- 厳しい気候: 冬の長い夜や寒さに慣れるまでに時間がかかります。
- 仕事の選択肢が限られる: 特定の業界が中心で、言語の壁が職探しの障害になることがあります。
まとめ
アイスランドへの移住は、豊かな自然環境や生活のゆとりが得られる一方、物価の高さや気候、職業の選択肢の制約など、現実的な課題も多く存在します。
皆さんの参考になれば嬉しいです!最後までお読みいただきありがとうございました。
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